2008年5月25日(日)〜30日(金)
北東北/青森(蔦温泉・奥入瀬・十和田湖)と
岩手(三陸海岸北山崎・遠野・花巻)への旅
1日目:5月25日(日)…青森/谷地温泉・蔦温泉
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大阪伊丹空港の搭乗待合室に座っていると、ケイタイにJALからのメールが届いた。
その内容は以下の通り
「5月25日(日) 7時59分現在
ご搭乗予定の5月25日(日) JAL2151便は条件付きでの運航となりました。
<ご予約内容>
5月25日(日) JAL2151便
大阪伊丹 → 青森
定刻 8:35 - 10:05
出発予定 8:35
搭乗口 21
【条件付き運航】
霧のため東京羽田空港へ向かうことがあります。
*今後の運航状況はJALホームページでご確認ください。」
「え、羽田?!羽田からどうやって行けば、今日中に蔦温泉へたどり着けるの?」
こんなこと初めてだし、全く想定外のことだから考えてもいなかった事態に戸惑う私。
そんな思いを抱きつつ、青森に着陸することだけを祈り、飛行機へ乗り込む。
★8時30分 大阪空港から飛行機で青森へ向かう。 JAL2151便 MD90 満席
チケットはバーゲンフェアで購入したので、\13,000だった。
シートは23A。ずっと雲の中の飛行で、何も見えず。温かいスープのサービス。
機長による機内アナウンスでは、「31000フィートを飛行中。青森空港には10:05着陸予定。
青森は12度、濃霧。依然として降下着陸が難しい状況が続いている。
着陸が出来ないときは羽田空港へ向かう。
9:20に新潟市上空予定。」とのこと。
★9時55分 再度機長のアナウンス
「青森空港の上空を旋回中。30分〜40分は待機できるが、無理なら羽田空港へ向かうことになる。」
後の席の関西のおばさん二人の会話。「なんで羽田なん?函館空港に降りてくれた方がええわ!!函館やったら青函トンネルで青森は近いやん。」
実は私も同じ事を考えていたのだ。「羽田はいやだなぁ。遠すぎるわぁ。函館か三沢なら都合がいいのに‥。ま、今いろいろ考えてもしようがない。羽田に降りてから考えよう。」
★10時05分 機長のアナウンス
「進入降下が可能な状況。
当機は、先の飛行機の降下の後になるので、あと5分程度で進入できそう。」
★10時20分 100%霧の中を飛行しながら青森空港に無事到着
まだ上空を飛んでいるものだと思っていたのに、窓から見るともう飛行機が滑走路を走っていたから驚いた。揺れもなく、静かな着陸だった。
濃霧の青森空港
★10時40分 青森空港からバスに乗り、青森駅へ
駅の観光案内所で、八甲田山ロープウェイが点検中で動いていないと知る。高山植物が見られるはずだったのに。
なんと今日が点検の最終日‥
「それでは、東北大学高山植物実験所付属植物園へ!!」と思ったが、それもクローズ。6月からオープンするとのこと。かなりショック。(この辺りを私は十分に調べてなかった。)観光案内所の方のお勧めは、「谷地温泉のミズバショウ」とのこと。「ミズバショウの群生はまだ見たことがないので、それを楽しみにすることに決めた。
★12時00分 青森→十和田湖(3,000円)のチケット(途中下車可能、2日間有効)を求め、青森駅発JRバス「みずうみ10号」に乗車し、谷地温泉へ向かう
★13時28分 谷地(やち)温泉着
谷地温泉のバス停にはまだ営業しているかのような看板が。 林の中には雪がまだまだ残っていた
谷地温泉は営業はしていなかったが、その裏手の湿原にはミズバショウがたくさん咲いていた。
バスの本数が極めて少なく、次のバスが来るのは15時08分。小雨の中、私一人だけのために咲いてくれている花たちを静かにゆっくりと見ることができて、大いに満足!!
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ムラサキヤシオツツジ
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ミズバショウ
ショウジョウバカマ レンゲツツジ
★15時20分 JRバス「みずうみ号」で蔦温泉着
●蔦温泉旅館チェックイン。
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蔦温泉旅館 新館への長い階段
旅の雑誌を読んで、鄙びた一軒家の温泉宿である谷地温泉に宿泊しようと思い、ネットで調べたところ、残念ながら既に営業停止とのこと。私が次の候補にあげたのは、文豪大町桂月がこよなく愛したという蔦温泉。ここも一軒宿。昭和47年吉田拓郎の大ヒット曲「旅の宿」は、作詞した岡本おさみ氏が蔦温泉で宿泊したときの印象をもとにして作られたとか。
旅館前の庭のレンゲツツジは満開、桜の花びらがシャクナゲの蕾の上にもチラチラと散っている。
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今年最後に見る桜 シャクナゲの蕾に桜の花びら
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「十年あまり五とせ前に見しわらや今こそ玉のうてななりけれ」 大町桂月文学碑
●レインブーツを借り、小雨の中、沼巡りをする
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蔦沼・鏡沼・月沼・長沼・瓢箪沼を巡る自然観察路を歩く。ブナ、ミズナラ、トチノキ、ハリギリなどの巨木の新緑が豊か。野鳥も40種ほど生息しているとのこと。
蔦沼
蔦沼散策路
鏡沼
月沼
ミズバショウの花の時期は既に終わっていたが、マイヅルソウ・クルマバソウが多数咲いていた。
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ユキザサ
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マイヅルソウ クルマバソウ
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タニウツギ スダヤクシュ
●夕食前「泉響の湯」に入る。青森ヒパを多用した浴室の天井の梁も美しい。
●夕食はお部屋で。食事の途中からだんだん寒くなってきて、ストーブを使用した。
● 夕食後「久安の湯」に入る。ブナ材でできた昔ながらの湯殿。男女入れ替え制で、女性は20時〜8時まで入浴できた。
空室状況を問い合わせた(3月下旬)ときの蔦温泉旅館からの返信メールは次ようなものだった。
「お部屋のご案内でございますが、本館は玄関の二階部分がお部屋で、お手洗い・洗面所は一階となります。(お部屋にお手洗いがございません)また大正7年築の建物でございますので、お部屋の出入口がふすまで鍵がかかりません。貴重品等は帳場でお預かり致しますので、予めご了承いただきますようお願い申し上げます。お一人様のご宿泊料金は一泊二食付、10,650円(税込)となっております。
別館のお部屋は、本館同様、お部屋にお手洗いのつかないタイプでございますので、同じ階にございます共同のお手洗い・洗面所をご利用頂くようになっております。お部屋の出入口はドアですので、鍵のかかるタイプでございます。また、高台を利用して建てられておりますので、玄関を入りましてお部屋まで、階段が60段から70段ほどございます。お風呂・レストランご利用の際も昇降がございますので、何卒ご了承頂きます様お願い申し上げます。
こちらも、お一人様のご宿泊料金は、一泊二食付10,650円(税込)となっております。
西館のお部屋は、お一人様でのご利用ですと一泊二食付19,050円(税込)でございます。お料理は、ご宿泊料金に見合った内容となりますので、西館のお料理が当館で一番内容の良いものとなっております。」
メールのとおり、玄関から私の宿泊した新館のお部屋へ行くには69段の階段を上がる必要があった。建物は古びているが、宿の人たちは皆さん穏やかで丁寧でとても好感がもてたし、また泊まりたいと思える、よい宿だった。
「歴史ある一軒宿にふさわしく、どっしりと存在感のある玄関と外観。周囲に広がるブナの森から切り出した数種類の木材が使われている本館は大正7年(1918)の建築。玄関を入って右側にある和室が昔懐かしい帳場で、ここを見るだけで、客室や浴室など館内全体の雰囲気が想像できようというもの。」
「浴室は昔ながらの『久安の湯』と青森ヒバでつくられた『泉響の湯』の2カ所。いずれも浴槽の板の隙間から無色透明、無味無臭の温泉が泉のようにふつふつと湧き出しており、その流れを直接肌で感じることができる。これぞまさに『生の温泉』だ。
45年ほど前に建てられた別館は山の斜面に沿って延びており、本館とは長い階段でつながっている。帳場の横から最上階の部屋まで行くには計86段の階段。本館1階から上がる客のために、途中に休憩用の踊り場が設けられているのも面白い。この長い階段も蔦温泉の名物。」(2006年10月号『旅の手帳』より引用)
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